以前、製作した自作アユプロノットマスター用仕掛巻きラインカウンター(がまかつGM-1898仕様)を改良してみました。この仕掛け巻きユニットを使用して頂いているユーザー様からの提案でラインの入り口を下部にしたいと言うご事から、製作にチャレンジして見ました。改善の見込みとしては以下のような事が上げられます。
- 右巻きによる仕掛け巻き(がまかつGM-1898)内部での屈折によるライン損傷の軽減。
- 目印、スイベル等のライン以外の凹凸部品がスムーズに巻き取れる。(引っ掛かり防止)
基本の右巻きでの改良を狙った設計です。旧タイプも左巻きであれば同じような効果が見込まれますがカウンター負(マイナス)の回転になる為に、実用的ではありません。この辺りも改善する余地が有りますが今回は単純に仕掛け巻きのライン出入り口を下部に設定して製作を試みました。
設計
図面です。単純に上部に高さを上げた設計です。その他の変更点は2箇所。一箇所目は取り付け角度を出せるように取り付け穴の下部を長穴カーブにしてみました。必要かどうかは分かりません。2箇所目はライン入り口にガイドを取り付けてみました。これは上下に可変調節移動が出来ますが、通常の使用では一番上がベストな設計にしました。
がまかつ仕掛け巻きの出入り口ピッチは35mmなので単純に35mm上部に上げます。
製作加工
製作はCNC卓上フライスで行います。詳しくは以前の記事を参照して下さい。製作行程はザックリ説明です。
↓<参考記事>↓
・自作でアルミ製アユプロノットマスター用仕掛巻きラインカウンターを作ってみた!!がまかつGM-1898編 Part1
アルミ板t=4mmを2枚重ねてクランプ固定します。
ザックリと?穴開け終了。
今回、テスト的に改良した角度チェンジ出来る長穴の加工です。
穴開け加工は終了!
輪郭を切削するので主軸コレット(10mm)にマッキーマジックを突き刺し輪郭を描きます。Φ10mmのエンドミルで切削するのでマジックでケガキをしたラインの内側をバンドソーでカットすれば丁度良いです。
不要な部分をカットし切削ベースにボルト固定します。
15~20分程度で切削完了。
清掃して外します。
試作ベースの完成!
ねじ切りと穴の面取り等を行って仕上げます。
がまかつ仕掛け巻きGM-1898の不具合を修正してみる
当方はこの仕掛け巻きをだいぶ長い期間使用し近年はかなりの数を個人ユーザーとしては購入していますが、たまに当方の製作物にマッチしない製品が出てきます。歪みが原因なのかメーカーの規格ギリギリ製品なのかは不明ですが、ラチェット?(カチカチする箇所)の掛かりがイマイチな製品があります。特定の色とかではなくランダムに発生します。私だけ?じゃないよね??
<用語定義>
ラチェット:「動作方向を一方に制限するために用いられる機構である。」~ウィキペディア(Wikipedia)より引用~
本来のラチェット機構は歯止め(爪)で一方向の定義らしいですがこのブログではこの両方向に動き固定できないラチェット機構を「 ラチェット」と表現します。
まぁ~本来の使用方法ではなく当方で改造して使用してますからメーカーの不良品とは言いません。その辺は割りきって当方の規格外の物は試作で使用しています。ですが、最近は規格外ストックが増えてきたので修正改造してラチェットが効くようにしてみました。
ちなみにスプールは蓋がすぐに切れてしまうものがたまに混じっているような気がします。
この部分( ラチェット) がスプールのギザギザと噛み合わないときがあります。
この白い樹脂を加工して一段上に上げます。修正方法としてはいくつか案が有ります。仕掛け巻きの出っ張りをカットしてビスで軸を作る方法とこの白い樹脂に新しい穴を開ける方法が考えられます。今回は手っ取り早く簡単な穴開けで加工できる方法にします。
取り付けのピンはおそらく1.0~1.1mm位だと思います。
穴開けはマイクロドリルを使って穴を開けました。このマイクロドリルのセットは0.9mmまでしかサイズが無かったのでしょうがなく0.9を使いました。本当は1mmで開けたかったのですが手持ちのドリルが見つからず、加工後に見つかりましたw
Φ0.9だとやっぱり小さいかな?固定はアルミの廃材品の穴を利用して部品をセロハンテープで固定。
2箇所、開けて丸棒ヤスリで穴を広げました。
なんとか収まりました。
このままだと逆に長過ぎるのでニッパーで先端をカットし調整します。切りすぎるとラチェットが掛からなくなるので注意が必要です。
先端をカットしたので接触部分が太くなった為か、強めの引っ掛かりになりました。巻きのフィーリングが変わりました。好みが別れるかもしれません。
Part2へ続く
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