日々、改良を重ねている自作アユプロノットマスター用仕掛巻きラインカウンター(がまかつGM-1898仕様)を再改良してみました。前回はカウンター軸を金属(真鍮製)に変更して軸の剛性を高めました。また別ハンドル化によって巻取り操作性は、ほぼほぼ完成形になっています。カウンター数値の実数化によりメートル・センチでの計測が可能になり使いやすくなりました。機能面では大幅なバージョンUPです。この記事は製作備忘録です。
カウンター実数化構想
この改良は今までの改良の延長線上に有り、いきなり、この実数化には辿り着かなかった改良です。2Gt規格のベルト&プーリーを使用して別ハンドル化を実現させ、ギア比に注目することによってカウンターを実数化にするアイディアを思いつきました。もちろんアイディアだけでは駄目で実際に製作して形にするのが大変苦労しました。
既製部品とオリジナル部品を組み合わせて実数化を実現させます。ギヤ比の変更で理論上は実数化になるはずですが、実際とどのくらいの誤差が出るのかが問題です。誤差を確認して、その誤差をどのように取り込むかはユーザー次第です。
製作
製作工程は今までとほぼ変わらないので割愛しますが、カウンターの位置が仕掛け巻き軸側からハンドル側軸に移動します。
それに伴いカウンター取り付け部品を変更。
ギア比は「28T:20T」で「1.4:1」になります。がまかつ仕掛け巻き(スプール)は一周、約14cm。
***がまかつ仕掛け巻きGM-1898スプールホルダによる水中糸等の長さ測定***
・当方のノギス計測によるとがまかつスプールは直径44.37mm(半径22.185mm)
よって円周2πr=139.3218mm 約14cm
〈参考記事〉
・編み込みホルダー用仕掛け巻 がまかつGM-1898仕様ユニット 編
2GT規格の28Tはマイナーなプーリーで7mm幅のプーリーが手に入りませんでした。仕方ないので11mm幅のプーリーを購入して旋盤で加工する事ににしました。ここでひと手間掛かっています。
プーリーのベルトガイドをペンチで外します。ボア径も6.35mmで6mmが入手不可だったので軸も微妙な加工が必要です。
ガイドを外すとこんな感じになります。
旋盤にチャックします。
突っ切りバイトで幅7.1mmに削ります。
再びガイドを取り付けて・・・
削って平らに仕上げます。
ユニットプレートも再設計&再製作。
プレートはこんな感じです。試作は2回ほど製作しました。
すでにある部品を流用して試作機を組み立てていきます。
2GTベルトはクローズドループ174mmを使用。試作ではゲイツ・ユニッタ・アジア社製を使用。メーカー製なのでこれだけで500円弱の部品代が掛かります。
軸は旋盤で削り出し~軸の製作は時間が掛かります。
POM樹脂部品も以前とはすべて寸法が異なるので再製作。
28歯側のボア径Φ6.35mmなので軸もプーリー取り付け部は軸径Φ6.3mmに削ってあります。
アルミはアルマイト加工をします。
赤と黒でアルマイト加工しました。
カウンターユニット組付け。実数化ではcm単位で表示されます。例えば1mであればカウンター表示は「100」になります。
ベアリングを挿入。
組み立てるとこんな感じになります。
カウンターの取り付けはハンドル側になります。
こちらの面は以前と変更はありません。
カウンターをハンドル側に移動しましたがバランスは問題ないようです。
ベースは赤で染色しました。少し色むらが出来てしまいました。
カウンター実測テスト
実測テストをします。ラインカウンターの性能テストです。
テストラインは2種類、伸びの無い(少ない)北越EXCEED複合メタル0.2号とダイワ速攻フロロカーボン0.25。
<テスト方法>
自作後方2連ユニットのスプールホルダーにラインをセットして、そのスプールホルダーのテンションで巻き取ります。巻取り距離は50cm。
目印はへらウキ止め木綿糸をトンボ結びして計測。スタート位置を仕掛け巻き入口に設定しました。この位置が0cm地点になります。
それでは計測スタート!!巻き取りカウンターを50cmで止めます。終点にウキ止め木綿糸をトンボ結びして目印をします。
仕掛け巻きスプールの0地点から実測計測します。測定スケールはシンワ製の直尺を使用します。JIS 1級スケールです。
複合ラインの計測結果は…ドンピシャの50cm!!理論上通りでした。正確には数ミリの誤差はあるかもしれませんが概ね良好な結果です。
続きまして、同じようにフロロカーボンでテスト。
0cm地点から計測…
490mmですかね…誤差-10mm。この結果は予想通りでナイロン・フロロカーボンは伸びがあるラインなので引っ張りテンションを掛けて巻くと伸びるのは既定路線ですね。このあたりの誤差をどう吸収して計測するかはユーザーの使い方次第になるところです。
ちなみにノーテンションでフロロカーボンを巻き直してみると50cmになりました。白の糸でもテストしましたが、こちらは流石ナイロン素材ということでテンションを掛けて巻くとのびのびでした。もちろんナイロンでもテンションを掛けなければ正確な実数が計測出来ます。
上記のテスト結果から、このラインカウンターの使用注意事項としては使用するラインの伸び率を誤差とし、その誤差を実際の計測にどのくらい加味するかが肝になります。伸びのない金属単線・複合メタルラインなどの計測はさほど気にすることなく作業は出来そうです。
完
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