今回の記事も当方所有のTACKLE in JAPAN アユプロ・ノットマスター&自作編み込みホルダーにマッチする自作の仕掛け巻きユニットのご紹介です。鮎釣りの仕掛け作りにおけるストレスを軽減するべく設計しました。仕掛け巻き(スプール)は市販品を使用し各社から発売されている4機種をユニット化しました。その中で第三弾として「がまかつGM-1898仕様」の製作工程をご紹介します。ちなみに当方はこのがまかつGM-1898を愛用しており製作のきっかけになった仕掛け巻きです。
製作工程概要
上記でも書いた通り当方がメインで使用している仕掛け巻きです。最初にユニット化に成功した仕掛け巻きです。この仕掛け巻きはシンプルでラッチ機能があり、お値段もお手頃で非常に使い勝手が良いです。改造するにあたっても仕掛け巻きケースが単純な四角形なので精度も出しやすかったです。ラインガイドも付けることなく至ってシンプルな構造で製作しました。スプールも中心(軸)に穴が開いているのでスプールをねじで固定することもできます。
ダイワ、シマノと前出記事で加工方法は書いたので今回の記事は簡潔に書きます。
設計
設計図は以下の通りです。
シンプル構成です。
材料
材料となるアルミ板は主にA5052系でアルミ合金(UACJ製)。使用したのは板厚4mmです。
70mm×114mmにカットしたものを2枚重ねて作ります。
穴あけ~輪郭切削
穴あけ加工は2パターン、いずれも貫通穴です。
<穴あけ使用工具>
- (OSG EX-SUS-GDS 4.0 ) 貫通穴
- (OSG EX-SUS-GDS 3.3 ) 貫通穴 M4下穴
フライスにワークをセットします。
芯出しバーで加工原点(X軸.Y軸)を出します。
400~500rpmで回しながら原点を出します。
加工原点が出たらCNCフライスでプログラムを起動します。
まずはΦ4mmの穴あけ。ワーク留め2個所があるので5個所穴を開けます。
次にΦ3.3mmの穴あけ。5個所
穴あけ加工終了。
輪郭を切削します。
<切削使用工具>
・エンドミルΦ10(ミスミTSC-CR-VHEM4S10-R0.3)
切り込み量は0.25mm
切削時間約20分
綺麗に切削できました。
切削の様子は前回のシマノ編と同様なので興味のある方はそちらを参照してください。
タップ&面取り~研磨~ベース完成
タップはM4のみで5個所行いますが、1個所は仕掛け巻きケースを反転した時にも対応できる様にするねじ穴です。
穴の面取りをいつも通りのマキタドライバードリルで行います。
サンドペーパー#240で外側のバリ&面を軽く取ります。
最後にお湯洗いで油を取り完成です。
がまかつGM-1898ケース取り付け
ベースに「がまかつGM-1898」のケースを取り付ける工程です。
この記事では前方、後方ユニットを作りますので上の写真のような方向で取り付けます。
最初に軸のねじ切りをします。ケース中心の穴にM4のねじ切りをします。
なるべく中心を出します。
プラスチックなので簡単にねじ切りができます。そのままねじ切りをすると貫通穴も開きます。
タップは油の付いていない綺麗なものを使います。汚いとねじ穴が黒くなってしまいます。
軸になるボルトはM4×16mmを使います。後に記述しますがスプールを固定する為のノブを付けるので少し長めのボルトにしてねじ山を出しています。
軸のボルトを付けます。
スプール固定ノブを取り付けるねじ山。
ベースプレートにねじ穴が開いているので、それを利用してタップを再度挿入してケガキます。
3箇所行ないます。
軸のボルト一旦外して、先ほどケガキをした穴の中心をマジックで見やすくします。
ボール盤でΦ4mmの穴を開けます。
4mmピッタリの穴を開けてますので中心がずれるとケースが付かなくなる可能性があります。5mm穴(ばか穴)でも良いかもしれません。
ラインの入り口部分のネジは皿ねじなので皿ザグリをします。
以上で穴あけ加工が終了です。
<加工ポイント>皿ザグリはネジが飛び出さない深さまで慎重にザグリします。
ねじの仕様は上記のような感じです。
入り口は皿ねじです。
ボルト・ねじ回しは電動 ボールグリップ ドライバーですると楽です。
マグネットハンドルのホルダーマグネットを取り付けます。
ベースは完成です!!
がまかつGM-1898スプール加工 自作マグネットハンドル取り付け
スプールにマグネットを取り付ける工程です。
リングマグネットを置き中心を出します。
ボール盤でΦ4mmの穴をあけます。
各ねじ、マグネットの仕様は上記の通りです。
ハンドル部分のマグネットは上がS極です。スプール側はN極になります。
自作ハンドルをつけて完成です。
強力リングマグネット(ネオジム磁石)は日本の会社(サンギョウサプライ)で購入。
自作ハンドル等についてはこちらをクリック→編み込みホルダー用仕掛け巻 ダイワ Daiwa 鮎匠 AS50N 回転巻R仕様ユニット編 その2~ハンドルの製作工程~取り付けインプレッション
前・後ユニットの完成です!!
ちなみに「がまかつ」のスプールは中心が穴なのでねじ式で固定することが出来ます。
固定することによって編み込みホルダーのラインクリップを使う事無くラインを固定できるメリットがあります。スプールでの固定はクリップでラインを潰してしまうデメリットを解消できる方法(ライン固定)です。
取付けインプレッション
がまかつ公式HPに「GM-1898」のスプール1周あたりの巻取り量の記載はありませんでした。
***がまかつ仕掛け巻きGM-1898スプールホルダによる水中糸等の長さ測定***
・当方のノギス計測によるとがまかつスプールは直径44.37mm(半径22.185mm)
よって円周2πr=139.3218mm 約14cm
<参考>
- 3m(300cm)=21.42周=約21.4周
- 4m(400cm)=28.57周=約28.6周
TACKLE in JAPAN アユプロ・ノットマスターBTypeへの取り付け例です。
つまみノブはねじを長くすれば裏面に収納できように出来ます。
ラインも引っ掛かりなく巻き取れます。
こちらは自作の編み込みホルダーへの装着例です。
にほんブログ村
コメント