今回の記事は当方、自作の編み込みホルダーとTACKLE in JAPAN(タックルインジャパン) アユプロ・ノットマスター用に製作した仕掛け巻きユニットに回転カウンターを取り付けた記事です。いわゆる「ラインカウンター」なる物を製作しました。仕掛け巻きとスプールホルダによる水中糸等の長さ測定に便利です。巻き取り数がカウンターに表示されカウンターも1/10回転分解計測で微妙な長さの測定も可能です。「あれ?何回巻いたっけ?」と脳内処理が出来なくなる事も防げますw。今回の記事は試作から多少改良した物をご紹介致します。Part2
カウンターPOM樹脂軸の製作&取り付け工程
続きまして重要なパーツの軸製作です。オリジナリティを出す為に色々と考えました。
材料はPOM樹脂の丸棒Φ10mm を使用します。色は黒を使いました。
仕掛け巻きユニットベースとカウンターベースをM4×10のボルトで接合します。
軸製作の前に設計段階でアルミの板厚と仕掛け巻きの厚さを正確に計って設計しました。
軸の頭をどのくらい出したら良いのかわかりませんでしたが、仕掛け巻きケースとフラット位が良いかなと思い適当に設計しました。
それでは製作の工程です。
軸の加工は旋盤とフライスの両方を使います。
700~1000rpm位で回しセンタードリルでセンター(芯)を出します。
回転センターで押えてとりあえず設計寸法通りに削ります。
設計図の通りに削り出しました。図面ではΦ5.9mmですが実際は若干マイナスの方向で削ります。
基本的に現物合わせで製作したほうが間違いないので、削ったら合わせて見ます。スムーズに回らないようであればさらに微調整で削ります。削りすぎはダメなので慎重に削ります。
軸の径が仕上がったら、先端の面を取ります。
最後に突切りバイトで突切りします。(切断)
ある程度の形になりました。
センタードリルで下穴を開けてから底部にΦ4mmの穴を開けます。
丸棒を固定するジグ(治具)を使ってイモねじ用の穴をフライス盤で開けます。(ボール盤機能を使用)
Φ2.5mmの穴を貫通させます。(M3の下穴)
スプール側は先ほどとは違うジグを使用してエンドミルΦ3mmでキー溝を掘ります。
芯出しは大体の感覚で出しています。大きくずれないように慎重に芯出しします。失敗すると修正が効かないのでゴミになってしまいます。
キー溝が掘れました。深さは約1.5mmです。
カウンター軸の固定に用いるイモねじ穴のねじ切をします。(M3)
ねじが切れたらイモねじ(ステンレス)を挿入して仮止めします。
軸のセッティングが出来ました!
最終組立て工程~完成!
最終組立て&微調整の工程です。
この「がまかつGM-1898」仕様はカウンターの角度が2段階で調整できます。水平と約30°の傾きが選べるようになっています。傾けたほうが若干見やすいので30°の所でボルト止めします。
カウンター側の穴は軸の芯を出すのにバカ穴になっています。
M4×10+M4ワッシャーで仮固定します。
この段階で軸に突っかかりが無くスムーズに動く位置を探しボルトを本締め固定します。
加工精度はまぁまぁ良いので軸の芯が出てないと回転が重くなります。この段階でスムーズに回らなければ軸の作り直しが必要です。
回転がスムーズな芯を出したらキーを溝に挿入固定します。
キーに使用するのはタミヤの「プラ材3mm角棒」です。
「プラ材3mm角棒」をプロクソンのミニカッティングソウNo.28151でカットします。
一般的なカッターナイフで切断するよりも綺麗に正確に切断できます。
このミニカッティングソウNo.28151では万力固定部分から6~7mm出すと3mm程度のカットが出来ます。
切り口も綺麗でなかなか良い工具です。軸の出来具合によっては2.5mm~3.5mmで調整します。
少し端部をヤスリがけして接着固定します。
POM樹脂(ポリアセタール)は非常に接着の難しい素材です。ですがその難点を利用してあえて一般的な瞬間接着剤で固定しています。タミヤのプラ材は瞬間接着剤で溶解しますがPOMはほぼ溶解しません。要するにすぐ取れます。すぐに取れると言ってもある程度しっかりとした強い力が必要です。なのでメンテナンス等で軸を脱着するときにキーが外し易くなっています。完全に溶解してしまうと軸を切断しなければならなくなります。そういう意味で良い感じになっています。
フジ矢 ピンセットプライヤー 303-150が有ると便利です。ピンセットのような繊細な動作が出来、パワーもあるからしっかりとつかめます。
0.5~1.0mm程度のクリアランスを取ってキーを接着固定します。
スプールにバッチリと噛み合います。
当方、オリジナルのハンドルとマグネットを取り付けて完成です。
取り付けインプレッション
編み込みホルダー用仕掛け巻 がまかつGM-1898仕様ユニット編にも書きましたが再度書きます。
がまかつ公式HPに「GM-1898」のスプール1周あたりの巻取り量の記載はありませんでした。
***がまかつ仕掛け巻きGM-1898スプールホルダによる水中糸等の長さ測定***
・当方のノギス計測によるとがまかつスプールは直径44.37mm(半径22.185mm)
よって円周2πr=139.3218mm 約14cm
<参考>
- 3m(300cm)=21.42周=約21.4周
- 4m(400cm)=28.57周=約28.6周
TACKLE in JAPAN アユプロ・ノットマスターXType改への取り付け例です。
数字で視覚化されるので回転数で水中糸を計測する場合は大変便利です。
次回はダイワ Daiwa 鮎匠 AS50N 回転巻R仕様ユニットにカウンターを取り付けた物をご紹介します。
Youtube動画
Youtube動画を作成しました。
<動画考察>
動画のライン(仕掛け)は両カウンターとも同じ物を使いテストしました。
誤差が出たのでキッチリ計測したところ下記のようになりました。
がまかつ:22.2周=310.8cm(1周=約14cm)
ダイワ :20.6週=309.0cm(1周=約15cm)
よって誤差1.8cmです。
この誤差は計測スタートとゴールのあいまいさの誤差と
スプール径(がま約14cm、ダイワ約15cm)との誤差だと思われます。
上記の誤差を加味して計測する必要があります。
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