数年前に製作した自作の編み込みホルダーを改良してみました。自身の加工技術もちょこっと?上がり現時点での技術で再製作(改良)をして見ました。改良のきっかけとしましては、あるユーザー様からのご指摘で「PEラインが滑る!」とのご指摘がありそのあたりを改善するべく再考察し大幅に改良しました。
<参考記事>
ゴムを変更(扶桑ゴムさん ゴム通Web)
今回の改良でウレタンゴム(硬度90)をクロロプレンゴム(硬度90)に変更しました。前作は棒状のウレタンゴムを自分で穴開け&カット(旋盤加工)して製作していましたが、手間が掛かるのと加工精度(ピンガイド穴Φ3mm P.C.D15mm)が出せないので外注(扶桑ゴム ゴム通Web)しました。ウレタンゴムはもともと薄黄色いですが・・・どうしても「黄色く」?変色してしまいます。
ゴム専門の「ゴム通」と言うWebサイトから発注。「ゴムキル」と言う便利な発注方法があるのでそちらを利用しました。自分の設計に合うゴムをチョイスして寸法を入力すれば簡単に発注出来てしまいます。数量によって1個単価が変わるので取り敢えず価格が妥協できる10個を注文しました。
なかなかゴムの加工はDIYでは加工精度が出せませんが、さすがにこちらの製品はキッチリ同じものに仕上がっております。おそらくプレス加工ではないかと思われます。
ゴム設計の詳細としては中心穴はバネを通すのでΦ8mmの穴が開いています。迷いましたが「ゴムキル」のオプションで片側に両面テープが貼ってある仕様にしました。当初は両面テープ幅が厚いと「かっこが悪く」なるのと「幅が広がってしまう」のを恐れていましたが発注前に事前に問い合わせして「テラオカ770K t=0.16mm」と言う回答を貰ったので安心して両面テープ仕様を発注しました。
クリップ部分組み立て
それでは組み立てに入ります。
細かい所は省きますが写真のように組み立てしていきます。構造は至って簡単なので説明するまでもないでしょう。ねじを回すだけです。
まず初めに一番内側のゴムを取り付けます。前述の通りゴムは片側に両面テープが貼ってあります。
ピッタリ入りました!!
両面テープの厚さも気になりません。ただ細かいことを言うとゴム断面(側面)に縦縞が入っておりちょっと美的にどうかなと思います。ゴムカットの刃物跡だと思いますがツルツル仕上げだと最高ですね!こればかりは致し方ないです。
さて、ここからが試作に最も時間を掛けて製作した所です。ラインホールド部が自動で開く様に両側にバネを入れました。市販の編み込みホルダーにはバネが採用されているものがいくつかありますが両面に入っているものがあるかどうか・・・?
バネは3種類のバネをテストして最良の組合せを試しました。具体的には「ばね定数」と「許容タワミ率」の違いを利用して左右同時に同幅開閉を目指して製作しました。詳細は長くなるので割愛しますが大変でした。結論的には部品の加工精度がバラつくと思い通りに動かないので難しいと言う事です。一応試作では完成しています。
「ばね定数」と「許容タワミ率」の違いを利用していますのでこの部品も左右でザグリ深さが違います。見た目では分かり難いのでマジックで内側方向に印をつけました。
まず内側はバネは「ばね定数=1(N/mm) 許容タワミ率=40%」
中央に白POM樹脂を入れます。
中央穴がM5に対してΦ5mmの穴なので、このままだと引っ掛かります。そこで「テーパーリーマー」で最適な穴の径まで削ります。
外側はバネは「ばね定数=0.5(N/mm) 許容タワミ率=45%」
最後に黒のPOM樹脂。
開閉ナットを締めて完成です。開閉ナットに異音がする時はシリコンスプレーを少量塗布します。
シリコンスプレーを少量塗布すればナットも軽くなり音もしません。
ちなみに反対側のクリップバネは「ばね定数=2(N/mm) 許容タワミ率=40%」を採用しています。要するにこの編み込みホルダーは3種類のバネを駆使して製作しました。
完成
やっとこ完成!ここまで来れば特に書くこともありません。「普通の編み込みホルダー」ですので写真だけで・・・
<完成フォトギャラリー>
完
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