<この記事は2017/7/30に編集したものを2019/10/26に再編集>
平成27年 関東地方一級河川の水質現況について考える~鬼怒川河川編
平成27年 関東地方一級河川の水質現況が国土交通省関東地方整備局河川部から発表された。
<国土交通省関東地方整備局河川部>←クリック
下野新聞記事によると「鬼怒川、男鹿川が水質最高水準~」と言う記事が配信されています。
栃木県の川も水質が改善されてきているようですね。
河川とダム湖・湖沼で水質測定法が異なるので今回の記事は鮎釣りに関係する河川編として考えます。
資料の中身を掻い摘んで精査すると以下のような事が分かりました。
まず基礎知識として「BOD」・「COD」と「75% 値」と言う値がありこの値を元に水質状況を判断している事。
<用語解説>
※BOD (生物化学的酸素要求量)
河川の水質の汚濁状況を測る代表的な指標である。水中の有機物が好気性微生物により分解されるときに
消費される酸素量のことで、BODの値が大きければ水が汚れていることを表す。
※COD (化学的酸素要求量)
湖沼や海域の水質の汚濁状況を測る代表的な指標である。
水中の有機物を酸化剤で酸化する際に消費される酸化剤の量を酸素量に換算したもので、
CODの値が大きければ水が汚れていることを表す。
※75% 値
年間の日間平均値の全データをその値の小さいもから順に並べ「0.75×n」番目(nは日間平均値のデータ 数)の
データ値をもって75%値とする。(0.75×nが整数でない場合は端数を切り上げた整数番目の値をとる。)
例えばBODを毎月1回測定していた場合水質の良い方の(値の小さい方)から数えて0.75×12=9 番目の値が75%値となる。
以上を踏まえて、鬼怒川の値はどれほどか?と言うと以下の表に載っています。
<<引用元:国土交通省関東地方整備局河川部>>
<表10 河川水質状況(BOD)と環境基準の満足状況>
当然と言えば当然なんですが上流に行けば行くほどBOD値は低く川治第一発電所前が一番水質が良いことが分かります。
ダム前の値は0.6で県内では一番綺麗と言うことでしょう。
それが下流域に行くにしたがって値が高くなり鬼怒川の滝下橋では1.4まで上がっています。
滝下橋は茨城県で利根川との合流手前にある橋で鮎釣りが出来る環境か良く分かりませんが、ここまで来ても
2mg/L以下なのでこのまま1mg/L以下に下がるのを期待したいですね。
ちなみに基準値は環境省のホームページを見ると以下のような表があります。
<<引用元:環境省HP>>
<生活環境の保全に関する環境基準(河川)> http://www.env.go.jp/kijun/wt2-1-1.html
1mg/L以下がダブルAの評価であるので川治第一発電所前は清流といっても良いのではないでしょうか。
下流域は今後、更なる努力によって水質改善が見込めるが宇都宮市を流れる鬼怒川はなかなか難しいかな??
最後に以下の関東水質状況MAPを見てみましょう。
<<画像引用元:国土交通省関東地方整備局河川部>>
<平成27年 関東地方一級河川の水質現況 図3>
このMAPを見て思うのは河川ではなく湖沼である霞ヶ浦・北浦の数値が異常に高いこと!!
国土交通省が行う大規模工事「霞ヶ浦導水事業」を推し進める理由が分かります。
鮎師に気がかりなのはこの工事の「那珂導水路工事」。
天然遡上がある那珂川に影響があるのか、ないのか?
霞ヶ浦浄化と引き換えに鮎遡上に影響を及ぼしても良いのか?
すでに工事は進んでいるので一個人として見守るしかありませんが、那珂川の鮎遡上に悪影響を与えるのは 勘弁してほしいですね。
<霞ヶ浦導水事業>
~霞ヶ浦導水事業は、那珂川、霞ヶ浦および利根川をつなぐ広範囲にわたる事業~
http://www.ktr.mlit.go.jp/dousui/index0001.html
ダム湖・湖沼に続く??
以上
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