この記事はフライス初心者(管理人)が初心者またはこれから卓上フライスを始めようかと思う人に向けた記事です。初心者の参考になればと思い記事にしました。さて個人のDIY金属加工に必要不可欠な機械がフライスと旋盤だと思います。この二台があれば大体の「モノ」が作れます。しかし個人のごくごく一般家庭で工場にあるような大型の機械はとても置けません。そこで登場するのが卓上型の工作機械です。卓上型と言っても機械重量が数kg台から200kgオーバーまでの幅があるので卓上型の範囲はとても広いです。当方の予算、大きさで選定した旋盤市場のPSF 550-VDR を軸にご紹介します。
金属加工機械の入り口?フライスのススメ。
前提
- この記事はこれから卓上型フライスを検討している初心者を対象にしています。
- 当方も初心者(素人)であり初心者の目線で書いています。2020年現在、加工歴2年目
- フライスはいきなりCNC化してあります。(旋盤市場「PSF 550-VDR」)
- CNC化は必須です!!当方はCNCフライスがスタートです。
- 金属加工はフライスだけではなく旋盤も必要!
- 基本はホビー用途!業務用途は別の話になる!
- この記事での素人とはフライスを触ったことが無い人(無かった人)の事。
- この記事での素人とは機械学が無学の人。「エンドミル?、何それ?」レベル
- アルミ加工がメイン
- 基本的に一人作業を想定しています。
- 学習意欲が無いと無理です。
上記でも記述したように卓上型フライスは性能(重量)に幅があります。購入を検討している方は機種選定に色々と悩まれるでしょう?!ここでアドバイスをするなら「自分の購入できる範囲の一番大きいもの買いましょう!」です。「大は小を兼ねる」の典型です。自分にフライスが出来るか出来ないか分からないでしょうが出来ない時の為に保険を掛けて小さい機種を選定すると後で後悔します。加工時間、加工範囲、加工出来る物が小さくなればなるほど確実に狭くなります。卓上フライスは鉄やステンレスは加工が難しいです。出来なくはありませんが条件が厳しいです。初心者はアルミ、真鍮を中心に考えたほうが良いです。
いきなりCNC!!
タイトルにもある通りに、この記事はCNCへの改造を前提に書いてます。当方は「ど素人」からいきなりCNCでスタートしましたので、フライスで汎用的な使い方をしたことがありません。当方は作りたい物が明確にあったので汎用的な使い方では最初から無理(遠回り)だと思いCNC化しました。ど素人が「どのようにいきなりCNC化するのか?」と申しますと下記の通りです。
- 業者(個人)に頼む。 低難度
- CNC化キットを買い、取り付けを人に頼む。 中難度
- CNC化キットを買い、自力で取り付ける。 高難度
- CNC化された物を買う。 低難度
- 自力でCNC化。 高難度
当方は一番上の「業者(個人)に頼む。」を実行してCNC化できました。低難度と書きましたがCNC化への工程が低難度であって実はその業者(個人)を探すのは超高難度でもあったりしますw
現実的なの「CNC化された物を買う」なのですが旋盤市場のCNC化された「PSF 550-VDR」は機械だけで90万弱!コンピューターなどもろもろで100万以上は確実です。素人には到底手が出る物ではありません。
ノーマル「PSF 550-VDR」を自力でCNCにするしかありません!
フライス購入?ちょっと待って?!購入前チェツク!!!
フライス購入で一番重要な事は実は買う前なんです。当方は勢いで買ってしまったので購入後のトラブルも色々ありました。その体験談を元に独断と偏見で幾つか購入前チェックをご紹介します。初心者は参考にして見て下さい。
作りたい物を明確に
重要度:★★★★★
初めの取っ掛かり(目標、目的)として明確に作るものを設定したほうが作業はやり易いです。一般的にはクルマやバイクのパーツなどが多いのでしょうか?当方は釣具が自作したくて始めました。
最初は単純な物を設計してCNCの学習をしたほうが挫折しません。
ネットで以下のようなニュアンスの質問をよく目にします。
質問→購入者(初心者):「このCNC機械は初心者でも扱えますか?」
解答→販売者:「難しいです。・・・・」
上記の販売者は超良心的です。厳しい解答ですが私も無理だと思います。なぜなら機械を動かすにはCAD/CAMが出来なければならないからです。CAMで「Gコード」なるプログラムを製作しなけらばならず機械とはまた別の問題であるからです。しかし恐れる事はありません。私も出来ませんでしたから・・・
CAD/CAM(Fusion 360)に関しては別記事にしますが3ヶ月あれば学習可能だと思います。書籍2冊とネット情報でなんとか悪戦苦闘で簡単な事が出来るようになりました。ここで挫折するとCNCは難しいです。
万が一、挫折し機械が金属の塊状態になった場合でも、中古市場がしっかりしており状態の良い物は比較的高値で取引されているので思い切って飛び込みましょう!w
学習できる環境(意欲) 参考書、書籍の活用
重要度:★★★★★
挫折しない為には必要です。当たり前の事です。アドバイスを受けるのも話が通じなくなるので用語等は覚える必要があります。
スイッチオンで簡単に動くものではないので最低限の知識が求められます。
- 電気(基本的な事)
- 機械工学の用語
- パソコン操作(制御ソフト)
- CAD/CAM
上記は最低限です。初心者は必ず壁にぶち当たりますので覚悟が必要です。
設置場所
重要度:★★★★☆
当方は庭の片隅にイナバ物置のナイソーと言うシリーズ(SMK-58S)の物置小屋を工房にしています。極狭い環境で卓上フライス一台、卓上汎用旋盤、卓上CNC旋盤、CO2レーザー加工機を置いています。別工房にてHOSE製の汎用卓上フライスを所有しています。
小屋内部寸法幅:294cm、奥行:178cm、高さ:196cm 約3畳半
家(生活環境)の中に設置する事は基本オススメできません。豪邸なら可能かな?普通のご家庭ではかなり無理が出てきます。また一般的な集合住宅もかなり厳しいと思います。
設置条件は以下が上げられます。
- 搬入前に剛性の高い作業テーブルを設置しておく。(165KGの本体が余裕で耐えれる)
- テーブル可動範囲のスペース確保。
- メンテナンスが出来るスペースの確保。
- CNC用のパソコン、制御装置の設置スペース。
- 切削時に振動があるのでテーブルを壁もしくは床に固定できる環境。
- キリコや切削油が飛び散るので土足環境が可能。
- 子供に触られない環境を作る
- 熱すぎる環境、寒すぎる環境は機械と人間には不向きなので適切な作業環境の構築。
搬入の問題
重要度:★★★★☆
「PSF 550-VDR」は一人で持てません。押して横に引きずり動かす事はできます。床からテーブルの上に持ち上げるには力持ちが2人~3人必要です。
搬入も迷わず搬入サービスを利用しましょう!(別途料金)
一度、据え付けたら一人では簡単には動かせませんので、慎重にテーブルの性能と場所は考えたほうが良いです。
音の問題
重要度:★★★★☆
音がそれなりに出ます。PSF 550-VDRは主軸がベルト駆動なので比較的音は小さいほうですが、近隣に住宅等がある場合は防音対策が必要になってくる場合があると思います。
音と振動が長時間続きます。CNC加工だと加工時間が1時間とかは普通にあります。
予算の問題
重要度:★★★★☆
当然ながら機械を購入しただけでは加工はできません。加工に合わせたツールが必要になります。
思っているよりも工具は高額な物が多いです。特に国産の工具は高価でその分、性能面も高いです。
購入後に色々とお金が掛かると思ってください。
当方が考える機械と同時に必要な工具
- エンドミル(ハイス、超硬)
- バイス、クランプ 固定具類
- ドリル
- コレットチャックセット MT3
- タップ工具 (ねじ切り)
- 測定工具 (ノギス、ダイアルゲージ等)
上記は最低限だと思います。
工具はプロが使用した素人には程度の良い中古工具がオークション、メルカリ等で売られていますので、活用は必須です。
初心者の内は中華製のものがメインになると思います。アリエクスプレス(Aliexpress)で手頃な価格で手に入ります。AliExpress、Banggoodは要チェック!!
材料調達
重要度:★★★☆☆
初心者は失敗を沢山しますので、材料は多めに購入しましょう。特にCNCはプログラム次第で大失敗します。材料の破損だけなら良いのですがエンドミル等の工具類や機械本体にもダメージを与えてしまいます。トライ&エラーで経験が必要です。
材料もまともな物を買うと高いので、オークション等を活用しプロから端材を購入したほうが経済的です。
CNCフライス経験者 技術者 有識者のアドバイスを受けれる環境を自ら作る
重要度:★★★★★
要するに、知り合い等に有識者がいて簡単にアドバイスを受けれる環境の方はかなりCNC習得の近道になります。当方は有料でCNCを取り付けてもらったのでCNCフライス経験者のアドバイスを受ける事が出来ました。比較的短時間で習得出来たと思います。
まぁ現実にはCNC機械を取り付けてもらっただけでその後の学習は必ず必要ですが現物があるので見て触っての学習ができました。
初心者は有料サービス?を使って学習しましょう!それが近道です。独学で出来る方は、元々なんらかの知識がある方しか通用しないような気がします。不可能ではありませんが遠回りです。上記でも書いた通り、作りたい物があるのならばそちらの製作に時間を掛けた方が有意義で上達も早いような気がします。
CNCフライスがゴールではなくCNCフライスで作る物(製品)が目的ですから。
ですが上記の目的がCNC機械の精度向上の方に意識が行くと「沼」にはまり自作CNC機械の製作に繋がって行きます。当方もそっちの方向に脱線しかけています。それはそれで楽しいですけどね・・・
次回記事は実際のCNC機械(制御)のご紹介をしたいと思います。
ご意見・ご質問等があればコメント欄からどうぞ・・・
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